マイクロスコープ治療・CT診断・再生療法・インプラント・審美治療・噛み合わせ・矯正・メインテナンス






 



マイクロスコープ精密治療とは

歯科用マイクロスコープは、眼科や脳神経外科、心臓外科等の手術で使用されていた手術用顕微鏡を1990年代に歯科で応用されるようになったものです。

マイクロスコープを使用した治療では、肉眼による治療よりもはるかに明るい視野の下で、3倍から20倍まで大きく拡大して治療ができますので、従来のレントゲンを参考にしながら経験と勘を頼りに行っていた治療と比較して、格段の差を生じます。

残念なことに、歯科での普及率はまだ7パーセント程度にすぎませんが、今後より良質な医療を提供するうえで必要不可欠な診療機器になってくると確信しております。





マイクロスコープによる効果(=歯の寿命を延ばす)
確実な診査ができる
 

従来、治療は肉眼で直接見ることができる部分を主に行っており、見えない部分に関しては歯科医の勘や経験で補っているのが現状でした。

しかし、歯の形は複雑で決して勘や経験で治療が行えるものではありません。マイクロスコープは今まで肉眼では見ることができなかった部分も確認しながら治療が行えるため、治療の成功率が上がります。それ故に歯の寿命を延ばすことも可能となります。

明確な診断ができる
 

治療を何度繰り返しても腫れや痛みが治まらないという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような状況では、未だ細菌が感染している部分が残っているという場合が多くあります。マイクロスコープで歯の隅々まで確認し、腫れや痛みの原因となっている感染源を取り除くことで、繰り返していた腫れや痛みが治る可能性もでてきます。

的確な治療ができる
 

マイクロスコープで治療を行うことによって、削らなくてはいけない部分と、削ってはいけない部分の境界を明確することが可能となります。

それと共に、通常使われる器具より繊細なものを用いることで、歯を必要以上に削ることがなくなり、その結果、歯の寿命を延ばすことが可能となります。

高精度な治療ができる
 

歯の寿命を延ばすためには、細菌の再感染を極力抑える必要もあります。

そのためには歯を修復するための詰め物、被せ物の縁の部分ををいかに精密に合わせるかが重要となってきます。

マイクロスコープを使えば3~20倍に拡大できますので、歯を削る時、型を取る時、詰め物や被せ物を装着する時なども、肉眼とは比較にならないほど、より高精度な治療が行えます。

その結果、ズレを最小限に抑えた精密な詰め物、被せ物を装着することができます。

外科処置に対するダメージを小さくすることができる
 

マイクロスコープを外科処置に応用することで、より繊細なオペ器具を使用することが可能となります。

その結果、傷口は小さくなり、組織に対するダメージも最小限となります。

また、傷口を縫う糸もより細い糸で行うことが可能です。

それだけではなく感染組織も確実に取り除くことが可能となるため、術後の痛みや腫れも少なく、傷口も早く治ります。

 

 





マイクロスコープを応用した治療
■虫歯治療

虫歯の治療で大切なことは、健康な歯をできるだけ削ることなく、虫歯だけを的確に取り除くということです。

特に神経に達しそうな深い虫歯は慎重に取り除き、できる限り神経を残すように努力します。
マイクロスコープと特殊な器具を使うことによって、極力神経にダメージを与えないように治療を行うことができます。

また、前歯では虫歯を取り除いた後、プラスチックを詰めることが多いのですが、マイクロスコープと良質なプラスチックを使い、時間をかけて丁寧に詰めることで、素晴らしい適合性と審美性を兼ね備えた治療が実現できます。
 
■根管治療

根管はとても複雑で入り組んでいますので、一度感染するとなかなか簡単には感染源を取り除くことができません。
また、根管の中は狭く、暗いため、肉眼では見ることができず、レントゲンを参考にしながら経験と勘を頼りに手探りで治療をしていく従来の方法では限界があります。どうしても感染源が残ってしまい、再発のリスクが高くなってしまうのです。

マイクロスコープを根管治療に使用することにより、その明るい視野と大きな倍率で、根管内を詳細に観察することができるようになりました。それにより、感染源の見落としの減少と細部にわたる治療が可能となり、根管治療の成功率は飛躍的に向上しました。
また、どうしても根管の中から感染源を取り除けない場合、歯の根の先を切除することがあります。その際にもマイクロスコープを使って、丁寧に切除し、残した根の除染をしっかりと行うことによって、再発の可能性が減少します。
 
■審美治療

セラミックによる治療は審美性と機能性の両立を求められる治療です。そのためにはミクロン単位での高い精度が必要とされますが、肉眼による治療では限界があります。

削った歯にセラミックの縁を寸分違わず合わせることができなければ、そのわずかな隙間に細菌が侵入し、新たな虫歯を作ったり、歯茎に炎症を起こしたりします。そうなるとセラミック本来の優位性が発揮されません。

そこで、マイクロスコープで拡大して、歯の縁に凹凸が可能な限りないように滑らかに削り、正確な歯型を取り、技工士にもマイクロスコープを使ってセラミックを作製してもらい、できあがったセラミックを再びマイクロスコープを用いて、歯に合わせます。
治療過程の各段階においてマイクロスコープを使うことにより、初めて本来のセラミックによる審美治療が達成されることになります。
 
■マイクロサージェリー(歯周外科)

歯茎を扱う手術は非常に正確で繊細な施術が必要となり、その施術次第によって予後が大きく左右されます。

歯周組織再生療法の成功において重要なことは、骨吸収の原因となった感染源を確実に取り除くこと、傷口を完全に閉鎖することです。

マイクロスコープと専用の繊細な器具を使うことで、歯茎のダメージを極力抑えた切開、肉眼では見えないような感染源の確実な除去、綿密な縫合を行うことができます。加えて、より小範囲で低侵襲な手術を行うことが可能となり、その結果、治癒期間の短縮、合併症のリスクの低下、そしてなによりも痛みなどの不快症状を軽減することが可能となります。

また、歯茎が下がって歯が長くなった場合に行われる根面被覆等の歯周形成外科では、上あごから歯茎の中の一部分を採ってきて移植するため、さらに繊細な施術が必要とされます。数ミクロン単位で歯茎を採取し、正確に位置づけを行い、今ある歯茎に丁寧に縫い合わせていきますので、このような手術においても、マイクロスコープを活用することによって精密な手術が可能となり、より審美的な歯茎をつくることができます。
 
■インプラント

インプラント治療も『骨が十分ある部分のみに行うインプラント治療』から『GBR、サイナスリフトなどの骨の増生、前歯部審美性向上のための歯茎マネジメントとより繊細な治療手技が求められるインプラント治療』へと進化してきています。

GBRでは骨のボリュームを増やすため、どうしても歯茎が不足します。GBRを成功させるには、術後傷口が開かないことが最も大切ですので、繊細な歯茎の取り扱いは欠かすことができません。

また、前歯のインプラントは骨だけではなく、それと同時に歯茎のボリュームも増やすことが、審美的にもインプラント周囲の骨吸収を抑えるためにも重要になってきます。

現在、このようにインプラント治療においても、より精密な治療が求められており、今後マイクロスコープを治療に活用する必然性がますます増してくると思われます。





マイクロスコープ精密治療において留意すべき点
<診療時間>

「見えるようになる」ということは「やるべきことが増える」ということでもあり、治療時間は従来の肉眼による治療と比較して、長くなる傾向にあります。

なぜなら肉眼による治療では見逃していた問題を発見することが可能となり、それに対してより精密な治療を行うようになるからです。

時には、今まで原因がわからず、長期間にわたり行っていた治療が、マイクロスコープを使うことで明らかとなり、無駄な時間を使わずに治療を早く終えることが可能になることもあります。

<費用>

マイクロスコープ精密治療の費用は状態によって異なりますが、治療時間や技術的な難しさから基本的に保険外診療となります。

通常の保険診療で想定されている状況とは著しく異なり、制約の多い健康保険の中で行うことは困難となるためです。

(特にコンポジットレジン充填や根管治療では、日本で一般的に行われている保険診療の数倍の手間と時間がかかることがあります。)

また、マイクロスコープ本体はもちろん、精密治療を行うための特殊な器具、材料も必要となります。

マイクロスコープ精密治療を希望される際には、歯科医師にご相談下さい。


最後に…

マイクロスコープを活用した治療のメリットは計り知れません。

「肉眼では見えなかったものが、見えるようになる」ということは、これまでわからなかった原因が明らかになる可能性が増えることになります。
それによって、原因に対する的確な治療が行えるようになり、再治療のリスクが格段に減少することが期待されます。

 

その反面、治療が可能かどうかということもはっきりすることとなりますので、場合によっては残念なお話をしなくてはならないこともあります。

しかし、例えこのような状況になったとしても「原因がわからずに悶々としていたことが明らかになることで、次の段階に進む良い機会になった」というように前向きに捉えていただきたいのです。

 

そして同じようなことを繰り返さないためにも、マイクロスコープを活用した精度の高い治療を受けていただくことをお勧め致します。






匠歯科クリニック
歯周再生・インプラントオフィス平尾
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匠歯科クリニック

院長 三松 匠哉
九州大学 歯学部卒
歯科医師臨床研修指導医
九州大学病院 歯科医師臨床研修施設
鹿児島大学病院 歯科医師臨床研修施設