例年であれば日祭日は学会、講習会等で全国を飛び回っているところですが、今年は３月以降、コロナ禍のため軒並み中止となり、久しぶりにコラムを書く時間ができました。

今回は昨年の貴重な体験について話をさせて頂こうと思います。

ちょうど１年ほど前、5-DJapanファウンダー 北島先生のご厚意によりコルテリーニ先生の講義、実習を受ける機会を頂きました。

コルテリーニ先生は世界的な歯周組織再生療法の権威であり、大変ご多忙を極められておりますが、この度、5-DJapanの招聘により来日が実現し、限られた歯科医師に対してセミナーが行われました。

今回のセミナーではコルテリーニ先生が考案されたMIST、M-MISTといわれるマイクロスコープを使った低侵襲な歯周組織再生療法について直接指導して頂きました。

MIST、M-MISTとはマイクロスコープとそれに合わせた専用の器具を使って最小限の切開と確実な肉芽の掻爬、繊細な縫合を行うことで歯周病により失われた歯の周りの骨を再生する非常にダメージが少なく、大きな効果が期待できる歯周組織再生療法です。

2000年代までは予後が不安な歯は抜歯してインプラントにするということが当たり前のように行われてきましたが、2010年以降、少しでも残せる可能性がある歯は残すための最大限の努力をして温存するように変化してきています。

また、歯周組織再生療法も従来の大がかりな手術から低侵襲でより効果的な方法に移行してきています。その最前線で活躍されているのがコルテリーニ先生なのです。

今回、そのコルテリーニ先生から直接指導を受けることができたのですが、その治療方法がしっかりとした科学的根拠に基づいた理論と非常に繊細なテクニックの上に成り立っていることに深い感銘を受けました。 治療ステップの１つ１つが大変よく考察されており、加えて豊富な経験の積み重ねにより洗練された治療方法が確立されています。

世界の第一人者といわれる所以を十分に納得させられた次第です。

このセミナーを通してコルテリーニ先生の素晴らしい歯周組織再生療法に触れ、私も教えて頂いた知識、技術をしっかりと習得し、少しずつながらもコルテリーニ先生のような質の高い診療を行っていきたいと思いました。

今回このような貴重な体験をさせていただき、これからも今まで以上に日々の努力を怠らず、研鑽を積んで治療技術の向上を図り、皆様に常に進化し続ける本当の意味での良質な医療を提供していきたいと決意を新たにしております。